肌寒さが身に染みる冬隣り、いかがお過ごしでしょうか。

水曜日担当心理士の中谷智美です。

今回のテーマは、『「ストレスに気づくこと」の長所と短所』です。

最近、面白い研究論文(菅沼・中野・下山, 2018)を読んだので、それを元にお話ししたいと思います。参考文献として、記事の下部に出典を記載しておきますので、興味のある方はそちらからご覧ください。

 

突然ですが、あなたはストレスに気づきやすいですか?

 

ストレスに気づくことは、自分の体調を管理する上で重要です。

気づくことでストレスを回避したり、対処したりすることができるからです。

しかし、ストレスに気づくことは、ポジティブな精神的健康に繋がる面もある一方で、ネガティブな精神的健康に繋がる面もあります。

では、ストレスに気づきつつ、ポジティブな精神的健康への影響を高め、ネガティブな精神的健康への影響を減じるにはどうしたらいいのでしょうか。

 

その答えの一つが、ストレスを適切に受容し、「あきらめる」ことです。

 

「あきらめる」と言えば聞こえが悪いかもしれませんね。これを言い換えると、ストレスに対して「価値判断をしない」「ありのままを受け入れる」、マインドフルネスでいうところの、アクセプタンスにあたります。これらは、「そのうちなんとかなるさ」「そういうこともあるよね」と現状を現状のまま受け入れる姿勢を指します。

 

ストレスに気づいたときに、それを手放し、あきらめる姿勢があれば、ポジティブな精神的健康への影響を高めて、ネガティブな精神的健康への影響を減じることができるということが研究から示唆されたのです。

 

もし今、ストレスやしんどいことがあって困っているという人がいれば、「そのまま受け入れる」という姿勢を取ってみるのも良いかもしれませんね。

 

受け入れたからといって、その後何もしないわけではありません。受け入れる方法を身に付けることで、すぐには解決しない問題にとらわれすぎずに生活を送りながら、解決を目指していくために、一旦ストレスや問題を棚上げしておくことが有効ということです。

 

一人で「あきらめ」の姿勢を身に付けるのは、大変かもしれません。受け入れられない出来事もたくさんあるでしょうし、受け入れてはいけない出来事もたくさんあると思います。なので、もし悩んでいらっしゃる、困っていらっしゃる方がいれば、医師や心理士にご相談いただければ、お役に立てるよう全力でサポートしますので、ぜひご検討ください。

 

 

※ パワハラやDV、誰かから不当に扱われ搾取されているなど、明らかに現状を受け入れてはいけない状況というのも存在します。そのような場合は、迷わず速やかに警察や病院など、しかるべき機関に駆け込んでください。

 

中谷智美

【参考文献】

菅沼慎一郎・中野美奈・下山晴彦(2018).精神的健康における適応的定款の意義と機能.心理学研究, 89, 229-239.